2005年07月11日

『母のいる場所』

母のいる場所今日は月曜日。
曜日ごとに星のテーマで書く、ということがカナリヤショップに夢中になって、全くできてなかったので、今日から、ふたたび仕切り直しということで。

月曜日は月のことを書く日です。
月が象徴するものに「母」があります。

私が今、毎日泣きながら読んでいる本が、こないだ参加させていただいた、『アリスのお茶会』主催の久田恵さん著『母のいる場所』です。
ノンフィクション。
久田さんが十年在宅介護をしてきたお母さまを、考え抜いたあげくに老人ホームに入れるところからはじまります。
すごく、面白いです。
赤裸々なんですが、重すぎず、鬱陶しくなく、説教臭くなく。

私は祖母とも離れて暮らしていましたし、両親は元気で、介護というものに実感は持てません。

考えることを逃げてきたと言ってもいいと思います。
自由であることに何より執着のある私です。
もしも両親に介護が必要になったら、と想像するだけで思考がストップしてしまいます。

だけど。。
母はこの頃、不安なようなのです。
いつか動けなくなる日が来たとき、自分はどうなってしまうのか。

その時、大丈夫よ、と私がどんっと、力強く胸を叩けたら。
動けない父と母を、私が抱き上げてあげることができたら。
物理的には無理でも、精神的にでも。
夢かもしれないけれど、少しずつ、準備をはじめる時期かもしれない、と思っています。

久田さんは全く甘えのないクールな文章を書く方だなあと思いましたが、飾らずに綴られる正直なこころの動きが、知らずに涙を流させます。

私が昨日、泣いたのは、久田さんが熱を出したお母さんに夜通し、うすめたカルピスをおさじで飲ませてあげるところ。

久田さんはまるで母子が逆転してしまって、赤ちゃんのように動けなくなったお母さまの世話をしながら、苦しみの中に、甘美な思いがある、と正直に綴っておられます。

それは、お母さんを独占できているという喜び。
一晩中、お母さんの枕元につきそって、くたくたになりながら、カルピスを口に注ぎ込んでいるのに、ふと、その手を休めて、お母さんの柔らかな胸に顔をうずめたい衝動にかられる。

80歳を超えたお母さんと50歳を超えた娘であっても、そして今は母子が逆転し、娘が母の命を支えている状況にあっても、やっぱり母は母で、娘は娘である、という生々しさ。

私は泣けて仕方ありませんでした。

まだ本は前半部分。
急ぐことなくゆっくりと、読み進めたいと思っています。

この『母のいる場所』の映画が、東中野のポレポレ座で上映されるというので、見に行こうと思っています。

なんと18日は、久田さんと監督さんのトークがあるそうなのです。
これは行かねば!

友人の朝ちゃんを誘ったら、なんと彼女は監督の槙坪夛鶴子さんと対談していて、その様子がネットで公開されていました! その上、主役の紺野美沙子さんとも対談したとのこと。

私ったら、「これは久田恵さん原作の介護を扱った映画で。。」
とか、説明のメールをしたんですが、とんだ赤っ恥でした。

すごいな、朝ちゃん。
私は普通のお客として、しっかり見てこようと思います。


posted by kanaliyahouse at 21:30| Comment(12) | TrackBack(0) | お母さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うっすら涙が。。。
両親の介護って多くの人にとって共通する問題ですよね。
いつまでも親が元気でいるわけはなく、今度は逆に私が支えになっていかないといけないんだ。。って考えさせられました。
親孝行しなくちゃ!
Posted by happycolor at 2005年07月11日 22:51
これもまた逃れられない問題だと思います。
山梨の母は71歳になりました。
もう父がいなくなって11年も大変な葡萄の仕事を続けています。
それ以外にもゲートボールの審判をしたりして子供にすがらない強い母のイメージがありますが、近くにいる姉に言わせると「かなり大変」ということです。
しっかりしていた母ですが視力も判断力も落ちてきているようです。

いつまでも子供のままでいたいですが、逆転しても母が愛してくれたように母を見てあげることが出来るのか、自分もよく考えなくてはいけないと思います。
Posted by nakamama at 2005年07月11日 23:05
ママはいるけど、ひま旦那と1歳しか変わらなくって、だいぶ大きくなってからのママなので胸に抱かれて安心するといった感覚が無いんですよね。

もしかしたら、避けて見ないようにしているだけかもしれないんですが。。。

将来、ひま旦那とママとを抱えて介護する…。
う〜ん。。。
やっぱり想像できないです。
Posted by ひまわり at 2005年07月11日 23:51
介護は、年齢の問題ではなく、下手をすれば私がされる側に回る可能性もあるから、日々あるがままを受け入れて行こうと心得ています。
介護するって言うより、そう言う生活をすれば良いんだって、自然にこなして行けると良いですね。
Posted by メガヒゲ at 2005年07月12日 09:35
結婚して実家を出てから6年。時々家に帰るたびに、
お母さんが老けていくのを感じます。物言いも仕草も元気だけど、
やっぱり顔とか手とかに、年齢がでてきてる・・・。
だんだん近づいてくる問題だなぁって思いました。
お父さんもお母さんも、人の手をわずらわすのは恥、みたいに
かまえているところがあるので、もしそうなっても気を遣わせないように
すごせたらなぁと思います。
Posted by pizzicato at 2005年07月12日 17:07
またカナリヤさんからステキな情報をいただきました。
私も本は大好きなので、機会があったら挑戦してみますね(^^
Posted by えびいちご at 2005年07月12日 18:22
♪happycolorさん、コメントありがとうございます。

まあ、涙をこぼしてくださるなんて、happycolorさんはこころが綺麗ですね。

happycolorさんは元気でご両親のすぐそばにいてあげて、こんな親孝行はないと思います。
といって、ずうっとおうちに縛られることはないと思いますが、今のhappycolorさんの生活はそのまま、素晴らしい親孝行だと思いますよ。
Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:24
♪nakamamaさん、コメントありがとうございます。

>逆転しても母が愛してくれたように母を見てあげることが出来るのか

私もそう思います。
久田さんは長い介護の末にお母さまを送られたのですが、介護というのは、喪失に向かっていく努力だ、と仰っておられました。

普通、がんばれば何でも成果というか、得るものがあるでしょう。

でも介護はがんばってもがんばっても、ゆるやかに失っていくものだ。。と。

やがて全てを失うのですが、頑張った末に得るものがない。
そんな力の出し方を、私もやったことがないので、それが不安です。

Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:28
♪ひまわりさん、コメントありが。。。

うえええっっ!
ってことは、何ですか、私はひまわりさんのお母さんより、と・し・う・え。。。

な、nakamamaさーん!
聞いた?
私たち、ひまわりさんのお母さんより、と・し・う・え、だあーっ!!!

そ、そりゃあ、ひまわりさんが介護とか言われても、??なのもわかります。
私はまだ介護はしても、されるような年齢じゃないぞ!

はあ〜、なんておそろしい。。
Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:31
♪メガヒゲさん、コメントありがとうございます。

メガヒゲさんは一見すると、丈夫そうな逞しい男性なので、ほんとに意外です。

事情を伺っていても、信じられない。。

>介護するって言うより、そう言う生活をすれば良いんだって、自然にこなして行けると良いですね

うん。
介護とか育児とか、漢字を使うと、ううっと身構えるけれど、自分と自分の家族が気持ちいいように暮らしていけるよう、そしてそれに力を貸せる自分になりたいと思いました。

がんばらねば!
Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:36
♪pizzicatoさん、コメントありがとうございます。

うちの母も、いつのまにか「お母さん」から「おばあさん」になってしまいました。

ま、私との関係は母と娘のままですが、私が「おばさん」に、母が「おばあさん」になるのは止められないことです。ぐすん。

時の流れを恐れずにすむよう、がんばりたいと思っています。
私も怖がりたくないし、母にも、怖がらせたくない。
難しいことですけど。
Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:39
♪えびいちごさん、コメントありがとうございます。

久田さんはほんとに素敵な女性なので、おすすめです。美しくって、かわいい!そして才女で現実をファンタジーに変える魔法を使えるひとです。
超おすすめです〜
Posted by kanaliya at 2005年07月12日 20:40
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